
SAITO Natsumi
最終更新 2026.8.31
会期:2026年2月2日(月) - 2月18日(水)
時間:10:00-21:00
場所:iti SETOUCHI it’s CUBE
広島県福山市西町1-1-1 1F
主催:iti SETOUCHI
企画:Setouchi L-Art Project(SLAP)
Setouchi L-Art Project(SLAP)は、広島県福山市の複合商業施設「iti SETOUCHI」内にあるオルタナティブスペース「it’s CUBE」にて、2026年2月2日から2月18日まで、広島市を拠点に活動する美術作家・齋藤夏海の展覧会を開催します。
絵画を出発点とする齋藤は、現代の情報社会におけるイメージの受容の在り方に関心を持ち、インターネット上で流通するデジタル画像の構造や影響力について考察を重ねてきました。その創作活動の初期からデジタルメディアを主な表現手段とし、平面作品や映像作品の制作を通して、私たちが日常的に接する情報としてのイメージがどのように生成され、変質し、消費されていくのかを問い続けています。
齋藤の制作手法の特徴のひとつに、ペイントソフトの四角形ツールを用いた独自の描画プロセスが挙げられます。色彩や透明度、大きさを微細に変化させた、多数の四角いレイヤーを幾重にも集積して形成されたその図像は、一見すると解像度の粗いデジタル写真のようにも映ります。しかしそれらは、「画家」としての鋭敏な造形感覚によって、色彩や構図、細部の表情に至るまで緻密に構築されたデジタル・ペインティングとしての「絵画」なのです。
また、齋藤は、制作過程において意図的に電子機器のエラーやグリッチを取り込み、描写しようとしたイメージと、意図せず立ち現れたイメージとを同一画面上に併存させる試みも行っています。本展では、アルゴリズムの変換によって崩壊させたレイヤーのパターンを取り込んで制作された《Buildings #1》と《Buildings #2》を中心に展示が構成されます。これらは、実在する建築物と架空のビル群をそれぞれモチーフとし、両者を並置することで、イメージの生成と破壊、現実と虚構が交わる現代の情報環境の地平を浮かび上がらせます。
展覧会の舞台となる福山市は、第二次世界大戦末期の空襲によって壊滅的な被害を受け、その後の復興と再開発を通して現在の都市景観を形づくってきました。会場となる建物もまた、1992年に百貨店として開業して以降、複数の事業者による再生を経て、2022年のリノベーションによって現在の「iti SETOUCHI」へと姿を変えています。「Meeting and Parting(離合集散)」の頭文字から着想を得て、「MAP(地図)」と題された本展では、流動する現代の「ひと」と「もの」と「情報」の在りさまが、変遷を重ねてきた福山の都市空間を舞台に描き出されます。









photo : Kensuke Hashimoto